『月見そば』立ち食い
目の前に置かれた『月見そば』を見て「良い景色だ……」と呟く。
茹でたてで湯気が出ている麺の上に生卵を落し、
赤みを帯びた熱々の黒色の汁を注ぐ。
熱々の汁を上から注がれた白身が、汁の闇夜にふわりと雲のように浮かぶ。
黄金色に輝く黄身が朧月のように輝く。
黄身のど真ん中に割り箸を突き立て、グルグルとかき回すと、月の光は霧散して闇夜に消え失せ、光の跡だけが残る。
汁を啜れば、鰹だしの風味と、黄身の円やかな甘味が交わり、
喉を通って胃に流れ込むことで、蕎麦への期待が膨らむ。
寒い冬の冷えた心と小腹が満たされる瞬間だ。
立ち食い蕎麦は、素早く食べるのが作法である。長居してはいけない。
溶けた卵と、出汁の効いた汁を全部飲み干し、いちゃもんをつけて、お金を支払わずに出てくるのが立ち食い師の流儀ですが、普通の人はお金を支払います。大抵は前払い制なので。
葱は景色的には、無い方が良いが、栄養的にはあった方が良い。
駅の立ち食い蕎麦であれば、大体「月見そば」はワンコインで食べることが出来るのも素晴らしい。
【そばの栄養】
「そば」には、良質なたんぱく質、ビタミン等が含まれています。
ポリフェノールの一種である「ルチン」は、抗酸化作用を持ち、毛細血管の強化や動脈硬化の予防、脳卒中の予防に効果があり、「コリン」には肝臓の働きを助け、飲酒による脂肪肝を防いでくれる効果があります。
「卵」は、ご存じの通り栄養の宝庫ですが、中でも「レシチン」は記憶力を高め、アルツハイマー型認知症を予防してくれます。
また「レシチン」による乳化作用は、血液中のコレステロールを溶かし、コレステロール値を下げる働きがあるため動脈硬化も予防します。心臓病、肝臓病、糖尿病、貧血症、腎臓病などの予防にもなり、美肌効果もあります。
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