食べられる翡翠『ぎんなん』
銀杏(ぎんなん)と銀杏(いちょう)は、親と子で同じ名前を持っている。
これが人名だったら、裁判所に「ダメだよ!」と言われるところだが、植物界では同じ名前も許されている。
銀杏を良く炒った後、硬い殻を鍛えたピンチ力で打ち破り、薄皮を丁寧にめくっていくと、鮮やかな翡翠色の実が目に留まる。
うむ。まず色が美しい。
枝豆しかり、鮮やかな薄緑のものが美しくないわけがない。
独特な風味も鼻孔に刺さる。
噛んで見れば、ホクッとした食感。
僅かな大人味と、種実類を感じさせる旨味。
そして、ちょんちょんとつける塩味で、全体が引き締まる。良い塩を使いたい。
秋の夜長、お酒を傾けながら、少しずつ、ちょんちょんと食す。
旬の食べ物を味わうことは、歴史を味わうことだ。
【ぎんなんの栄養素】
「カリウム」・・・摂り過ぎた塩(ナトリウム)を排出する効果があります。そのため、高血圧や動脈硬化の予防になります。野菜の中では多く含まれています。
「マグネシウム」・・・カルシウムやリンとともに、骨をつくっているミネラルです。生体内の代謝反応やエネルギーの産生のサポートもしています。
「メトキシピリドキシン」・・・ビタミンB6と似た成分であり、ビタミンB6の働きを阻害する毒性のある成分です。そのため、食べ過ぎると中毒になります。私は特殊能力があるので、たくさん食べられますが、普通の子供は気をつけましょう。
「その他」・・・漢方では、滋養強壮、せき止め、ぜんそくの改善に用いられています。
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